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分配より創造を。

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    もし日々の生活に汲々としているならこの話は忘れてほしい。しかし少しでも心とお金と時間に余裕があり、自分や子供の将来を不安視するなら聞いてほしい。その不安を解消する最良の方法は社会を良くすることにコミットすることだ。この国は幸いにも島国だ。出ていくことは言語の面でも地理的にも難しい。ということはこの国と社会が良くなる結果は、すなわち自分にダイレクトに返ってくるということなのだ。世界を見渡してもそのような先進国は少ない。特に地続きのヨーロッパや大国の米中なら社会にコミットするより自分の生活だけを考えたほうが有利かもしれない。では、もしこの島国とその未来を良くするならば、いま、もっともやることは「長期的な富を産み出す新しいエコシステムを創造すること」だ。いま、問題になっている社会保障でも地域活性化でもない。そのような「富の分配」は、結局のところイデオロギーによる奪いあいに終始する。そこには正義という名の偏見しかない。もちろん医療・介護費用は国家歳出の40%に上るし、貧困・格差のもたらす不幸感は著しい。特に単一民族で人口密度の大きいこの島国では、格差の大きさが精神に与える影響は一層大きい。幸せはいつだって相対的な感情だからだ。だがしかし、それでも僕は、いま、全国民がコミットすべきは新しい富の創造・新産業の創生であると言わざるをえない。なぜなら配る富がなければ、分配論は意味をなさないからだ。2040年以降の我が国を考えた超長期の産業の芽を育てなければならない。新産業とは流行りのゲームアプリなど人の中毒性に依拠した短期的な企業利潤の追求コンテンツビジネスなどでは決してない。21世紀の人々が求めるつながりと物語、安心でき、美しい暮らしを実現するためのものだ。アート・医療・農業・金融(エネルギー)・宇宙、そして健康と人権を保全する様々なしくみ、地球環境・生態系、そのような分野における恒久性(少なくとも50〜100年)を担保する新しいエコシステムの創生のことだ。このような産業の創造には、3つの要素が必要である。核となるシーズ(天才)と、それを事業化するプロフェッショナル、エネルギーとしてのお金だ。その三位一体が必要となる。実際のところシーズ(天才)とマネーはある。足りないのは事業創造家(プロフェッショナル)である。この国の金融のしくみは愚かである。シーズの持ち主である天才やアーティストに“事業計画”を書かせ提出させようとする。そのような愚かなことをさせてはならない。考えてみよ。スティーブ・ジョブスが事業計画を書くわけがない。言語化はそれが得意なものに任せるべきである。それが事業創造家(プロフェッショナル)である。本当に価値あるものは眼には見えない。言語化されていない。それはただ直観するしかない。だからマネーの出し手は勇気をもって目には見えないものにベット(賭け)しなければならない。銀行家はそのような直感力を養わなければならない。もし言葉が並べられた書類にだけお金を供給していたならばそれはきっと当たり障りのない、決してて競争力のない事業であり、産業というものにはならないだろう。残念で恥ずかしい話だが、この国には、金があり、そして価値あるものを直観することのできる一個人は少ない。だからこそ、組織として一人ひとりが手を取り合って価値を顕在化して事業へとそして産業へとつなぐバケツリレーを皆でしなければならない。近くにいる天才は付き合いづらく、あえて言葉を選ばずに言えば“キチガイ”で“変態”かもしれない。しかしその価値を認め、助け、事業のコンセプトへ落とし、言語化し、資金を融通し、事業と組織をつくりあげる、そのような流れを集団を持ってつくりあげなければならない。アベノミクスの3本目の矢(産業の育成)はどうやら実行されそうにないし、残念だがもう言葉として風化している。政府のやることはいつも雑すぎる。それを悲観しても仕方ない。だからそれを実現するのは民間の僕達だし、行政官には、国家的な規模(10兆円)での独立法人「新産業創成機構」の設立をお願いしたい。僕は国家100年の繁栄のために、富の創造のシステムに全精力を投じる覚悟がある。もし皆に少しでも手すきの時間と余裕があるのならば、事業創造・産業創造にこそ関わってほしい。繰り返すが、今のような富の分配論でなく富の創造こそが自分の子どもたちの将来を保障する唯一の策なのだから。


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