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人生のレールは一つじゃない。8つのロールモデルから選択せよ 〜小泉進次郎議員と若手議員へのプレゼン〜

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    小泉進次郎さんと若手議員の「財政再建に関する特命委員会」でプレゼンをしてきました。本当はこういうことはあまりオープンにすべきでないと思うのですが、紹介者の許可のもとに少しだけ思うところを書きます。

    さて、国家の政策提言についてはここ2年くらい自分なりに考えてまとめてきました。すでに21世紀は20世紀とまったく異なるパラダイムで動いているし、それに対し現在の国家政策は、財政戦略的・国民幸福的な観点から大きく誤っており、また俯瞰的にみて体系的で統合的な視点からの施策に欠けていると思うからです。
     統合的でないとはどういうことかといえば、財政・教育・法律・外交・内政・税・社会保障・産業・地方創生などがそれぞれの論客で個別に語られているということです。当然ながら個別の論点は全体に相互に影響を与えるわけであって、そのような全体を俯瞰するフレームワークがまず必要だと思うのです。(今度、提示します)

    さて内容ですが、もし仮に国民の幸福を第一の論点として考えるならば、それは経済と社会的関係資本(ソーシャル・キャピタル)に分解されます。経済についてはGDPの額でなく、率、すなわち一人あたりGDPがもっとも重視されるはずです。これをさらに分解すると労働生産性と資本生産性にわかれるわけですが、どちらも先進国の中で日本はワーストクラスです。
     とくに大企業の生産性は、ベンチマークとなる他国企業と比べて1.5〜3倍以上低いし、資本生産性も最低クラスです。



    今の日本では、女性・シニア活用、少子化対策などと言っていますが、課題の本質はそのような労働量の拡充ではなく生産性にあります。資本も同様です。リスクマネーがまったく供給されていません。

    このような中で、人々は、大学→大企業→一軒家・家族といったこれまであったたった一つのレールがすでに壊れた現在、自由に生きろ、と言われつつ新しいロールモデルがない。だから露頭に迷うのも当然です。



    そこで、一つの人生レールでなく、8つのロールモデルを提示し、それを早い段階から自主的に選択する生涯教育システムを提案しました。

    例えば、ドイツからマイスター(職人)制度、フランスのグランゼコールや寄宿舎学校などのエリートシステム、人の気持ちに寄り添うプロフェショナルである感情労働(エモーション・ワーカー)、アメリカのコミュニティ・オプティマイザー(地域リーダー制度)、クリエイティブクラス、それにオペレーションクラスなど8つのモデルです(これらはあくまで仮説です)。今必要なのは、このような具体的で違いの明確なキャリアプランを提示することです。抽象論だけで前に進まないと思うからです。もちろんこの8つはどれが偉い、位が高いなどの差がなく、個人の資質に合わせて選ばれるものです(ドイツのマイスターは社会的尊敬も大きい)



     またすでに余っている高校や大学などの高校・大学などの市民開放によるコミュニティ・カレッジを制度化し、国家統一で単位認定し学歴や会社に囚われれずにキャリア形成ができるようにすることも併せて提案しました。


    もちろん、しくみだけでなく、産業の中身も必要です。そこで新産業創造への政府のコミットとして10兆レベルの出資を行うこと。そのスキームについては、独立した株式会社組織とし、政治・官僚の影響を廃し、市場原理に従うこと、民間のプロフェッショナル人材を登用することを提案しました。残念ながら歴史的にも現状でも官庁や政治家紐付のお金は結局バラマキに終わります。大事なのはカネでも事業のシーズ(研究)でもなく、事業を育てるビジネスプロフェッショナルの存在と市場原理から目をそむけないことなのだから。このような10兆の生き金は2040年までに100兆レベル(時価総額の1/5)の産業をつくるに資するでしょう。


     最後に、20世紀の人権が、“生存”の保障だったのに対し、21世紀の人権は、“承認”の保障まで拡大すべきだといいました。日本の孤独や自殺は異常だし、人はもう飢えて死ぬ時代ではないのです。人とのつながりを喪失することで精神的・社会的に死んでいるのです。実際、20代の死因の1位は自殺で、これは日本だけの現象です。そう考えると、21世紀の社会保障は、本当は「社会“関係”保障」なのだということです。


    ニート風情が偉そうなことを言って恐縮ですが、全部、事実に基づいた現実です。少しでも日本の政策が本質的な問題解決につながり、国民の幸せとその新しい日本の価値観とシステムが世界へのインスピレーションになればいいな、と思いました。

    ちなみに、当日、プレゼンの時間だけは厳守しろ、と口をすっぱくして周囲に言われたので、ランチでボロネーゼパスタを作った時につかったタニタのキッチンタイマーを持参して、「今日はアルデンテでやらせて頂きます!」と最初に話して議員たちの失笑を買いました。結局、プレゼンは、時間も内容も「モルビド(茹で過ぎ)」でしたけど。。(^_^;)

    プレゼン資料はこちらです
    http://www.slideshare.net/agewall/20160518-62126992

    最後に、非常に忙しい中、アドバイスと各国の論文にあたったり資料作成を手伝ってくれた 松田 宇弘 名川 航太郎 内藤 勇耶 藤沢 烈に感謝します。

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