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「移動教室」こそが教育の本命となる。

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    教育についていえば、小学校から大学まで、今、教室で行われているすべての授業は、教室からなくなるだろう。数学も国語も英語もあらゆる知識・情報は、ウェブ上に体系化され、世界最高の講師によって学ぶことになる。知識を伝授する2流以下の教師はいなくなる。知識は場所を選ばないからだ。
    では、教室はどうなるのか?なくなるのか?といえばそうではない。教室は移動し続けるのである。教育とは知識と意識を学ぶことである。したがって、身体で学ぶ学問は当然残る。我々は、場所と環境を変えることによってしか、新しい視点や問題意識を手に入れることはできない。東浩紀さんが「ゆるいつながり」で書いたように、googleの検索窓に新しいキーワードを入れること、googleやFacebookの予測を外し、AI(人工知能)の呪縛から逃れるためには、僕らは場所と環境を変え新しい問題意識を手に入れ続けなければない。AIは人をどこまでも追いかける。だから僕らは「物理的」に逃げなければならないのだ。

    僕自身についていえば、今年の夏の3ヶ月、東京には5日しかいなかった。北海道、秦野、大分、東ティモール、ヘルシンキと移動した。スカイプで仕事も課題もこなせる。知識や情報は場所を選ばないのだ。しかし、物理的に北海道にいかなければ、アイヌや大麻文化の社会的意義について、主体的な問題意識をもって「検索」することはなかったし、大分にいかなければ、温泉街におけるアジア留学生招聘システムによる地域復興戦略を考えることもなく、東ティモールにいかなければ、10年前のこの国におこった悲劇や、アジア小国の産業戦略について考察することもなかった。エストニアという国が30代の若い行政官達によって最先端のICTを使った社会システムを構築していることについても、フィンランドの鮮やかなデザインの成立背景に問題意識をもって調べることもなかった。

    僕らは旅(移動)をし続けなければならない。そうでなければコモディティ化から逃れることはできない。

    大事なことは知識や情報ではない。意識である。知識は体験による身体感覚との結合を経て、初めて智恵となる。そして、物理的な環境変化のみが意識変革をもたらす。 21世紀、教育において、教室は移動し続けることになる。「移動教室」こそが教育の本命となる。


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