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消費3.0 〜人が買うのは、「つながり」と「物語」だけだ〜

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昔、僕達が買っていたのは、ソニーのウォークマンであり、パナソニックのTVであり、立派な一軒家だった。消費の中心は「衣食住」であり、モノの「機能」そのものだった。

ところが、現代の消費の中心は、明らかに「つながり」と「物語」 だ。

マズローの欲求5段階説でいえば、僕達の消費の欲求は、「生存欲求(第2次欲求)」から「承認・尊敬欲求(第3次欲求)」へとシフトしたわけである。だから僕は、これを「消費3.0」と呼ぶ。

AKB48にせよ、グリーやモバゲーにせよ、CDやゲームというモノを便宜的に仲介しているものの、本質的に消費者が買っているのはその先にある、アイドルへの忠誠心(つながり)やその人生(物語)への共感であり、SNSに参加する他のプレーヤーから認められたいという虚栄心・自己顕示欲求である。

ソーシャルファンディングが、いわゆるファイナンス(お金の調達)でなく、商品の販売であるのは、それが、プロジェクトへの「参加権」というつながりや共感という物語を売っているからに他ならない。

一方の衣食住は、どうなったかといえば、大量生産可能な寡占的大企業が存在している。
ユニクロやセブン&アイは、いわば「衣食住のインフラ」である。ユニクロは、“人民服”となり、セブンプレミアムは、食糧の“配給”である。品質を担保され低価格を維持されながら提供される生活の基本インフラとなっている。僕達はもはや衣食住についてそれほど気にとめない。「まぁ、ユニクロでいいか」「今日は、セブンの総菜にしよう」といった具合である。

もちろん、1990〜2000年代にも虚栄心や自己のラベルを売るマーケットはあった。プラダやヴィトンなどブランドのバッグなどがまさにそれだ。だがそれらはまだニッチだった。しかし、2010年以降の消費3.0の世界では、「つながり」「物語」がマーケットの主役なのだ。

ビジネスをする人なら、まず、それを理解しなければならない。

●「つながり」を売るとは、無機化するということだ

僕は、年金問題の本質は、財源ではないと思っている。それは、国民の国家へのコミット(忠誠心)の低下によるものだ。つまり、この日本という国家コミュニティへの忠誠度が下がっているということだ。

その一方で、シェアハウスや地方再生、家族回帰、仲間意識など、新しいコミュニティへの参加意欲が高まっている。

人々は、経済的にも、制度的にも劣化しつつある旧来のコミュニティ、つまり「国家」から、新しいコミュニティへのポジションの移動を始めているのだ。コミュニティ意識の民族大移動が、静かに、だが確実に進行している。

それを理解した上で、新しい「つながり」を創造することは、それ自体がビジネスになりうる。
したがって、ビジネスパーソンが考えるべきことは、「誰と誰がつながったら」面白いだろうか」と問うことである。

これから、コミュニティへの参加権という無形の価値は、すでに、音楽(CD)や動画、物販、あるいは「村民権」みたいなものを含め、多様化してくるだろう。

そのうちに、モノ自身を何も提供しない(仲介しない)、純粋な参加権・つながり権も販売されると思われる。(その話はまた今度。)

僕は、この流れをとても気持ち悪いと思いながら見ている。
その気持ち悪さの源泉は、身体性への貨幣の浸食である。

資本主義の問題の本質は、富を偏在させたことではない。それは、有機物をお金(数字)という“メス”を使って無機化したことにある。

日本では、会社という“法人”は、もともと経済体というよりも有機的な共同体であった。それをM&Aという形で売買することによって、無機化してきた。

僕達が、マルチやネットワークビジネスを嫌うのは、人間関係という有機物を、商品を売るという形で無機化するからだ。今、Facebookなどのソーシャルメディアがビジネスとしてそれを始めている。

資本主義者が儲けるためのてっとりばやい方法は、当然ながら、資本主義、つまりお金でやりとりすることのできる世界の領域を増やすことであるから、今後も、このような有機物に対する無機物(お金)の浸食はとまらないだろう。

人々は、資本主義に追い詰められ、有機的な身体感覚をもとめて農業やヨガをやりつづけるだろう。
だが、それも資本主義の宿命であると考えている。大事なことは批判でなく対処である。
僕達は、有機体、つまりあらたな「つながりの創造」にさらに注力しなければならない。有機物を創造する者がこの世界の勝者となる。

●「モノ」を売るか、「モノ“語り”」を売るか?

物語を売る、ということは、時間を売るということである。
それはつまり、過去から現在、そして、現在から未来を売る、ということである。
これに対し、商品(モノ)を売る、とは、現在(いま)を売る、ということである。

「情熱大陸」や「プロジェクトX」が人気なのは、その人を通した物語を売っているからだ。決してその人の業績や実績を売っているわけではない。
同様に、AKBが売れるのは、「舞台」を売っているからではなく、「舞台裏」を売っているからだ。

商品自体には価値がない。それが持つ「背景」のミステリーこそが現代の人がお金を払う最大の理由である。

このような価値の本質を、直球で販売するのではなく、あえて「商品」という形をとってお金に換える、のが現代のマーケットの特徴である。それが購買のエクスキューズ(言い訳)になるし、その性質はしばらくは変わらない。

ビジネスに関わる以上、僕達が無用にそして膨大に消費しつつあるのは、実はもはや地球資源ではなく、つながりや物語といった有機物であるという現実を踏まえた上で、日々の生活をどれだけオーガニックに形成するか、ということが消費3.0における主要課題である。



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