calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>

categories

archives

山口揚平の書籍一覧

Facebookを公開しています

“引く”ことで浮かび出るもの

0
    断舎利をはじめとして、最近は「引き算」が流行している。

    これ以上経済が膨張する可能性がないこの国においては、足して幸福になるよりも足るを知ることで幸福を目指すほうが合理的だと皆気づき始めている。

    ビジネス書の売れ筋をみても、これまでは勝間和代さんの「年収10倍アップ勉強法」を筆頭にスキルアップ系が売れていたが、昨今は、ちきりんさんの「ゆるく考えよう」など自然体で、”求めない”ことを志向する内容がベストセラーになっている。

    キャリアの似た二人だが、前者は幸福になるために能力を上げることを唱え、後者は期待値を下げることを説く、という点でその意見は対照的なのが面白い。

    同じグルメサイトでも、レストラン評価の「食べログ」よりもレシピサイトの「クックパッド」の人気が高くなっているのも、外でお金を使わないで、家でおいしいものを作ることで幸せになる道を模索している結果だろう。

    ちなみに、クックパッドの人気レシピは、「水を使わない肉じゃが」でこれは本当においしい。素材のうまみを引き出すためにできるだけ水を「足さない」、というのは料理のコツの一つである。

    栄養学も変化しており、昔は、カロリーやビタミンなどの成分をどうやって何を体に取り入れるかが中心で、みのもんたなどが、あれこれ体にいいものをPRすると売り切れることもしばしばだったが、最近は、体から「出すこと」によって免疫力や体本来の機能を再起動させる酵素(エンザイム)栄養学が流行の中心だ。

    ベストセラーになった「病気にならない生き方」を読めばわかるように、酵素を取り込むためには、「なるべく加熱しない(酵素は47度以上で死んでしまう)」、「消化酵素を無駄遣いしない(食べ合わせと食べる時間を守る)」のが鍵である。

    朝食を抜く”(ファスティング:断食)ことはたしかに有効で、僕も実践しているが、胃腸と消化の負荷が減ってきたせいか、体調も回復してきた。アトピーに悩まされていた友人もこのファスティングで調子を取り戻している。

    僕は朝食の代わりに朝はにんじん・りんごジュースをジューサーで作って飲むことを続けているが、朝の4時から昼の12時までの体の排出サイクルの時間帯に消化の必要性があるものを体に取り入れず、酵素を得る、という面でたしかに理に適っているようだ。

    ちなみにジューサーは、友達の紹介してくれた「スタイルプラス」のもので、にんじんもりんごも丸ごと入れることができるので便利だ。にんじんは、無農薬のものをネットで10キロ単位で買っている。

    これまで僕達は、栄養や健康というと、「いかに体に良いものをとるか」ということに拘泥してきたが、この飽食の時代、逆に、「引く」ことにより、体本来のパワーを呼び起こすというのは、言われてみるとなるほどという点が多い。経験的に朝食を抜いても決して不健康になるということはなく、むしろ体重も適正化し、スタミナもついてくる。


    モノを持たない、という動きは、社会の様々な方面に広がっている。サーバの所有からクラウドへ、車も所有よりカーシェアへ、そして持ち家から賃貸志向・ルームシェアへ。

    消費の中心は、特定の目的を買う「機能消費」から、他者との有機的な関係を再構成する「つながり消費」へと変化しつつある。

    戦後、ひたすら「足す」ことで“個人”の五感を満足させてきた我々の社会は、今、「引く」ことで”個人間”の関係を取り戻そうとしているのかもしれない。


    コメント
    コメントする








       
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック