calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< May 2018 >>

categories

archives

山口揚平の書籍一覧

Facebookを公開しています

山口レター

0
    僕はブルーマーリンパートナーズという会社で働いていて、「山口レター」なるものを3ヶ月に一度程度の感覚で社内向けに書いています。少し恥ずかしいのですが、そこからいくつか抜粋してみたいと思います。

    〜〜〜

    ●山口レター(1) 2009年2月25日より抜粋

    ここのところ、新メンバーの参画や、山口の健康問題や外出により、コミュニケーションの機会が減っていることを問題に、山口レターなるものを書きたいと思います。時間の関係上、要点のみの箇条書きを心がけます。


    「ブルー・マーリン・パートナーズ有限会社」から、「ブルーマーリンパートナーズ株式会社」へ

    4月の増資に伴い、株式会社化を行う予定です。(*注:2009年4月に実施済)

    あまり関係ありませんが、ブルーマーリンパートナーズの名称の由来は三つあります。

    「ブルーマーリン(カジキマグロ)」は、世界最大の釣魚であり、大きなチャレンジの象徴としてつけたものです。カジキマグロはヘミングウェイの「老人と海」に出てくる魚です。
    この小説を読んだとき、そのストイックな老人サンチャゴの職人意識に深く共感しました。そこには利も私もなく、ただ巨大魚との格闘という対話があります。余談ですがこの小説を元に「釣りキチ三平四二巻〜デビルソード編〜」が描かれています。

    ブルーは、私のもっとも好きな色で、深く静かな思考、止揚による創造性の発揮を表しています。
    マーリン(マグロ種)の中でもブルーマーリンを選んだのはそのような背景です。

    パートナーズは、上意下達の階層組織ではなく、フラットな共同体たることを目標としたためにつけたものです。

    以上のように(とってつけたようですが)、意味深い名前であることから、改名は辞めておこうと結論しました。相変わらず顧客には「ブルーマリン」と誤解されると思いますが、お付き合いください。

    事業ドメインについて

    製品や事業内容よりも、「我々がどうあるか(be)?」「誰とやるか(with who)?」を重視したいと思います。製品や事業はその結果です。

    ただしドメインは「知の流通業」です。これは変えません。
    これは、知こそがもっとも重要な資源となる確信に基づいています。
    そこでの我々の使命は、情報を広く収集し、それを巧みに加工・編集し(ビジュアル化、擬人化、論理構成)、知として再構成し、広くあまねく流通させることにあります

    ちなみに、BMPが社名、SHARESはプロジェクト名(金融情報流通プロジェクト)、バリューマトリクスは商品名です。

    SHARESは、金融知識・情報の流通を通じて、(特に個人と機関投資家の間の)情報の非対称性を克服し、我が国の資本効率の向上に役立つことをその使命としています。

    大切にしたい価値観

    大事にしたい価値観として、愛と創造のパラダイムがあります。
    愛とは、肯定・一体性・現実化の資源(ソース)のことです。
    創造とは、対立を解消し、一歩高い次元での調和を生み出すことです。
    人間の創造力が、愛を通して、世界を創り出すのだと(私は勝手に)信じています。

    そこには駆け引きも調整もありません。
    とはいいつつも私自身は、常に現実(カネ・資源)に縛られていますが(笑)、
    少しづつ価値と価格の天秤のパラダイムから抜け出せればと思っています。


    多くをやるのではなく、もっとも重要なことをやる文化

    10年間の社会人経験を通して得た確信は、たった一つで、「深く本質を考え、もっとも重要なことをやることで圧倒的な成果をあげることが可能」だということでした。

    バタバタしがちな日常ですが、常に考える、そして"ホットボタン(コア)"を押す文化でありたいと思っています。


    泥臭さについて

    「人事を尽くして天命を待つ」ようにしたいと思います。泥臭く這いつくばって、最後に神にすがりたいと思います(笑)。


    ●山口レター(2)2009年3月27日より抜粋

    シェアーズ各位

    奇貨居くべし(きかおくべし) という言葉があります。

    「奇貨」は、将来、大きな利益を生んでくれる価値ある珍品で「史記」にでてきます。
    こんな物語です。

    昔、あるところに呂不偉という賢い商人がいました。
    彼は父に聞きました。

    「父上、おたずねしますが田を耕して1年にいくら儲かりますか?」
    「多くて十倍だろう」
    「では宝石ならばどのくらいです?」
    「百倍くらいであろうな」
    「では一国の国王を仕上げたら?」
    「国王・・・変なことを聞くやつだ。そんなことは計算できぬわ」
    「万倍くらいにはなりますか?」


    こうして、呂不偉は全財産をなげうって亡命中の王子に投資をし、
    結果、その王子が秦の王となりました。

    株の本まで書いてキヤノンやトヨタといった上場企業に積極的に
    投資をしないのはそれが田を耕すことにすぎないから。

    昔の会社の友人のように、投資ファンドをやったりしないのは、
    それがせいぜい宝石だから。

    では、何が奇貨なのか。

    本当の奇貨とは、
    市場を創ること、通貨を産み出すこと、信用を築くこと、
    であると
    、知っています。

    だから山口は、あえてブルーマーリンパートナーズをつくり、
    SHARESをやりました。

    それからある金言も知っています。
    「善は、決して間違いのない唯一の投資である」

    ・IRという曖昧模糊な業界に、成果をはかる具体的なしくみを導入すること
    ・見えないパイプラインを築き、市場を独占すること
    ・企業と投資家が長くつきあえばつきあうほど、利益が積みあがるしくみをつくること

    つまりSHARESのコンセプトは、「関係を可視化して、関係を長期化させること」
    これに尽きます。

    そしてそれこそが、将来、もっとも高いリターンを生むと知っています。

    ●山口レター(3)2009年5月23日より抜粋

    経済環境は厳しくはありますが、丁寧に現実に対処し、長期に種を植えてゆきたいと思っています。

    シェアーズは、企業と投資家の理解と共感に基づいた長期的信頼関係の構築を助け、日本の資本生産性を倍増させるために存在しています。

    私は、市場での売買によって、適切に企業の価値が評価され、必要な資本が必要な企業に回るとは信じていません。

    そうではなく、互いの「対話」とそのための「知識」が必要であり、泥臭い話ですが、説明会やWEBを使って互いの理解促進と共感を醸成してゆくことが必要です。

    それが長期安定株主の創造につながり、ますます高まる外部環境の荒波に対処する企業にとって唯一の道なのです。互いを信じられる状態にすること、信頼を維持させるしくみを創ること、その架け橋となることこそシェアーズのミッションです。

    バリューマトリクスは、世界最高の企業分析ツールであり、独自のアルゴリズムによって世界の会社の生産性・創造性を底上げすることができると信じています。

    バリューマトリクスのコンセプトは、「提案」であり、企業の潜在力を最大限発揮させるための課題抽出、企業に携わっているステークホルダー(営業担当、企画担当、与信担当、投資家)に対するアラート機能を兼ね備えたツールです。
    バリューマトリクスさえ導入しておけば安心だ、と思えるセキュリティソフトのような存在になりたいです。

    「対話による共感と信頼の醸成というシェアーズのミッション」と「最強の企業分析ツールとしてのバリューマトリクスの機能」を組み合わせれば、安定的で愛情にあふれた新しい社会システムを創り出せるんじゃないかな、と信じています。

    会社を辞めるとき、「僕は世界を理解するための新しい枠組み(フレームワーク)を創る。そしてノーベル賞を取ります」といって辞めました。

    冗談ではなく、世界は一つであり、すべては有機的につながっているということを証明したいと思っていますし、それができるのは自分たちをおいていないだろうとも根拠なく思っています。
    すべての事象の有機的関係を見いだすこと、それが知の流通業としてのBMPのミッションです。

    BMPは、とても面白い組織になるはずです。
    日本の将来を大きく変えることのできるチャンスが目の前にあってそれに参画できる可能性があります。

    考えて考えて、さらにその先を考え、行動と失敗を繰り返しながら結局、最後にはうまくいく、ということを経験を通して知っています。

    あと自分たちがやっていることは使命なのだから、うまくいかないということは自分のせいではないという開き直りをもっています。それは考え抜いて結晶化した結論を仕事にしているからです。

    ●山口レター(4)2009年7月9日より抜粋

    このメール、謎なのですが過去一度も返信がありません(笑)。
    それでも気にせず頑張って書いていこうと思います。

    さて第三四半期が始まりました。
    戦略方針プロジェクトを経て、組織が刷新されました。
    今後もどろどろの対話を経て、強いチームにしていきたいと思います。

    今回、よかったと思うのが、戦略方針を寝ることで、プランの質が少なからず高まったこと、議論を通して皆の考えを吸収・統合し、また客観的検証を経て、精度を高められたことだと思います。

    もしかしたら、この規模の組織では社長の独断と偏見でがんがんと前に進めたほうがいいのかもしれません。

    ですが、そのリスクと長期的な組織の柔軟性や文化の構築、それからメンバーの成長やスキルの交換を考えるとたとえコミュニケーションのコストがかかろうとも遅延なプロセスを経るべきだと思いました。

    今、チームはBとCで分かれ、それぞれが収益化を目指しています。
    しかし、私の理想としては「シェアーズ価値創造経済圏」とでもいうべき、
    理解と共感に基づいた社会関係資本をつくりだすことにあります。

    実際、貨幣論などを書いていながらも、定量化・形式化・数式化された関係は脆弱だと思っています。

    もっと粘着性のある強い信頼関係を国民と企業の間で少しでも形成してゆくことが必ずや危機や急激な成長の助けになると思っています。

    しかし、シェアーズの掲げる『100万人の長期投資家と、未来をつくる日本の100社をつなぐ』かけ声はいいのですが、なかなかむずかしいのが実情です。

    はばからずに言ってしまえば、不遜な目標にも見えますし、子供じみた理想にも思えます。

    ですが、わずかの隙間にチャンスがあり、まだ少数ですが協賛者もいます。
    そして優秀なメンバーがいて、毎日、皆と交流しているだけで幸せです。

    あとは、ビジネスとしての「筋」のよいしくみづくりと、誇りのもてる仕事とフィードバックループをつくれればと思っています。


    協働できるようメンバーの有機的な関係づくりと戦略的・機動的な行動が行えるよう、情報共有は欠かさずやっていきたいです。

    ●山口レター(5)2009年9月3日より抜粋

    シェアーズは、企業と投資家の長期的信頼関係を構築することで、我が国の
    資本効率の向上を目指すことを目的に事業を推進
    しています。

    市場経済の蔓延する中で、軽薄な金の取引により、利と差を追うのではなく、理解と共感に基づいた資金の流通こそが、成熟した民主主義的資本主義には不可欠と考えたからです。日本にもそういう存在が一つくらいあってもいいでしょう。

    そのためには、真に21世紀の日本の産業を形成する企業を見つけ出し、その強みの本質を見据え、支援するとともに、そこに投資をする国民の繁栄を達することが必要です。

    (中略)

    私はBMPの使命、存在意義、製品、メンバーの人間性を信じています。
    我々は3年間、決して道に曲がったことをせず、未熟ながらもどんな時も誠実かつ高潔に事業を行ってきたと信じています。(今はへばっていますが・・・(笑))

    私は自らの未熟さゆえに多くの経営上の失敗をし、多くの人を傷つけてきました。それでもなおかつ自分達の持てる力を発揮し、日々鍛錬し、毎日、明るく楽しく夢を追い、世間をびっくりさせるような革新的な製品を生み出し、したたかな戦略をたくらみながら、じわじわと社会への影響力を創り出し、多くの若く優秀な人材を育て、クライアントから信頼されながら成果を生み出してゆきたいと思っています。

    ・日本で最高の企業情報サイトを作り上げる(SHARES)
    ・経営課題をすべてアルゴリズムで抽出して、動的にレポートする(VM)

    いずれも容易ではありませんが、知恵を振り絞り一つ一つ形にしていきましょう。

    〜〜〜

    これをみるといつも同じことばかり書いています(笑)。ブランドの確立されていない小さな組織では、わかりやすい“ラベル”がありませんから外からみて、また時には内側から見ても“芯”が見えなくなることがあります。ですから自戒を込めて、自らの存在意義を確認し、再定義し直すことが必要なのです。逆に大きな会社は良くも悪くも機能的な存在と化していますから、そもそも論に弱く、結果として「利」を中心に据えざるを得ないのでしょう。「ロマンとソロバン」のバランス、とても大事なことなのですが、まだまだうまくできません。

    ブルーマーリンパートナーズを一緒に創ってくれる同志を探しています


    コメント
    "自戒を込めて、自らの存在意義を確認し、再定義し直すことが必要" との言葉、共感いたしました。
    共感するは易し、しかし実践は難し。私も自らのために実行できるよう頑張りたいと思いました。
    コメントする








       
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック