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デューデリジェンスのプロが教える 「企業分析力」養成講座
デューデリジェンスのプロが教える 「企業分析力」養成講座
山口 揚平
3年越しで書いた9つのケーススタディ。予約時点で300件以上の申し込みを得た待望の新書。目には見えない企業の本質を見抜け!
職を得るための5箇条
日本の失業率もしゃれにならない数字(6%)になっており、とくに若年層(22〜35歳)までの失業(なんと10%超)は、職能技術獲得の面からもとても大きな社会問題だと思う。

また失業には含まれないが、18歳〜22歳の特に女子の医療・介護への就職者は異常な数値で、これは、うがった見方をすれば、「お金を持っている高齢層による若者の搾取」である。

18歳の女の子が職を得たい、という一点を目標に、介護を目指すことには、ある種の“風俗”的な切なさを禁じ得ない。

医療・介護のコストは現在の10分の1にまで下げなければならない。国家予算のほとんどは、実は教育・医療にかかるコストでこれは固定費だから、自由度は極めて低い。もし日本が、民主党の言うように“強い経済”を創ろうとするならば、まずは固定費の圧縮、つまり医療コストを徹底的に下げなければならない。それは起業家精神による既得権益の破壊と、工夫・イノベーションによるこの分野での効果性の向上にかかっている。

さて余談はさておき、最近、とても就職相談に乗ることが増えているので、就職のためのコツ的なものを簡単にかいてみたい。

1.もしやりたいことがあるなら理想の追求をやめないこと

結局、人は好きなことをやっている時がもっともコミットが高いし、スキルも上がる。雇う側にとってもっとも管理コストが低いのは、忠誠度があり、仕事にコミットするタイプである。決して、仕事ができる人ではない。もし仕事ができる人や実績のある人を求めているのであれば、その会社は、極めてファンクショナル(オペレーショナル)に経営されており、外的変化に弱いことになる。そんな会社はそもそも避けた方がいい。

会社は、常にオペレーション(業務)とイノベーション(進化)のかけ算でその強さを発揮するものである。だから自分が就職したい会社の事業について知識や経験がなくても、やる気があれば、他での知見を、この事業に適合させ、進化を促すことができるのだ。そして現代の会社が、意識するかしないかは別として、もっとも求めているのは、このイノベーション(進化)を牽引できるタイプの人材である。だから実績や経験がなくともどうどうとやりたいことのできる会社を選び続ければいい。必ず道は開けるし、実際、私の周りで、想いを捨てなかった人は、やりたいことができる境遇を手に入れている。


2.やりたいことがないならば、素直であることが重要である。

職能訓練において、最大の美徳は、“素直さ”である。私の会社でもその前の会社でもとにかく新人獲得につとめたのは、真っ白で素直な状態のうちに徹底的に仕事の「型」を教え込むことができるからだ。

経験のない人にとっては、強みではなく、まさに“素直さ”が最大のアピールポイントとなることは、仕事を教え込むマネジメントの立場から言って間違いがない。

逆に30歳を過ぎており、職能が身についていない場合でも、やはり最大のバリューは、この素直さ、になる。偏見・固定観念をひとつひとつ柔らかくし、自らの人生で否定してきたものをあえて肯定してみる、という訓練を1ヶ月ほどすると素直さが戻ってくるから不思議だ。


3.未来の産業構造を洞察し、10年後の勝ち組を選ぶこと


新人に特に多いが、就職ランキングを占める上位の会社は、実は今が“天井”である。東大生は、官僚を除けば、昔は、三井鉱山、新日鐵、カネボウに就職し、その後、第一勧業、今は、外銀・ITを目指した。

時代によって産業構造は変化する。10年後の産業構造の覇者になっている事業体は、今は赤子の状態にある。だが、長くつとめるつもりなら今が天井の会社ではなく、これらまだ子供の会社に勤めるほうがずっと安定感は高いのだ。そしてまだ子供だからこそ入りやすいものである。

債権トレードで徹底的に稼いだソロモンブラザーズだって、今はMBAが必須だが、昔はならず者の集まりだったし、創業当時の楽天やソフトバンクに入ったのは学歴を持たないはみ出し者だったはずだ。

では10年後の産業構造ではずれない業態はというと、一つは巨大銀行、保険会社、カジノ(に手を出せる戦略性と利権を持つ娯楽企業)、大規模医療組織や企業、輸出型製造業では、環境技術に特化した会社(EV・水処理)、大企業化しつつあるIT企業(楽天・ソフトバンク)、特殊法人である。

いずれも、戦略性・それからグローバルベースでの財務・資本のパイプラインを持つ会社が生き残る。ってちょっと難しすぎたか・・・



4.自己分析を徹底的にやること

私は、コンサル時代を経て、事業家として、事業を興し売却をしたが、事業を行うことと、FXをやることは基本的に変わらない。ギャンブルである。

では何が違うのかといえば、それは、自分の特性(凹凸)に着目し、多少なりとも、他者よりも優位な状態で戦ったことにある。

FXは、純粋なギャンブルで、参加者全員が同じ土俵で同じ条件で戦う。この場合に、「自分」というものの特性は生かされず、勝つも負けるも時の運となってしまう。事業や仕事でも、当然、運の要素は強いが、それでもやはり、自分の特性(凹凸)に当てはめたほうが、単純に“勝率”は高くなる。

だからこそ、自己分析には時間をかけて欲しい。少しでも勝率をたかめ、高い給料や事業収益を得るために。22歳の時に買った杉村太郎の「絶対内定」はまだ持っているな。


5.21世紀は、自らが貨幣(信用)を作りだす時代であると肝に銘じること


このブログで何度も言っているように、21世紀は、個人がお金をする時代、クレジット(信用)を創る時代である。余談だが、手塚治虫の「火の鳥」を読めば、未来の世界では、10万クレジットなどとすでに貨幣の名称自体が、クレジットとなっている。

結局、お金とは、信用を数値化したものにすぎない。金本位制の崩れた現代のお金は人々がお金だと思っているからお金として成り立っているものである。であれば、お金の正体とは、実はそれが国家単位であろうと、共同体であろうと、そして個人であろうと、突き詰めれば、目には見えない「信用残高」である。

これからの世界は、今は目には見えていない「信用残高」が、貨幣電子化の波にのってどんどん可視化されてくるようになろう。信用とは、人の心の中に蓄積されてゆくものである。そしてそれが電光掲示板の上に表れてくる時代である。WEBは履歴書となる。googleランクやtwitterのフォロワー数、電子出版での評判は一つの「貨幣価値」となる。そりゃそうだ。フォロワー数の多い人に、広告(具体的な金銭オファー)の依頼が来るのは当然のことだ。転職活動では、レファレンス(裏付け)を取られるようになる。それが良い世界なのかはべつとしても、21世紀に生きる私達は、自分の信用残高を常に意識して、身近な人に貢献して生きてゆくことが必要なのである。
| - | 03:08 | comments(1) | trackbacks(0) |
起業する前に知っておいて欲しいこと
1.“業”を背負うこと、を諦めて甘受すること
2.素直さ、素直さ、素直さ、常に素直さを意識すること
3.構造的な優位性を担保するための戦略および工夫
4.「信用」を得るために、通常企業の5〜10倍の工数が必要になる(とくに営業において)ということ
5.仕事は頭で、人には心で
6.強固なキャッシュポイントを築くこと(トランザクション)
7.避けるべきは、オーナーシップ、オブリゲーション、オペレーション
コミットすべきは、クレディビリティ、クリエイティビティ、クリティカルポイントへの注力

詳しくは改めて・・・
| - | 17:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
慶應義塾高校で教える経済学の授業 〜21世紀のスキル〜
昨年に引き続き、今年も慶應高校で授業をもたせてもらいました。

慶應高校の生徒は、極めて素直、良い意味で野心的で、したたかでもあります(笑)。

将来の起業や専門職を想定し、高校時代からバランスシートの読み方や資本主義のルールを学ぶなんて僕らの時代に考えられなかったこと。いやいや彼らが社会に出たら恐ろしいな−。

一方で、ノブレスオブリージュ(高貴なる者の使命)のような真の意味でのエリート教育は希薄な印象。みんな金持ちになりたいし自分が出世する、という次元からは抜き出てない。自分が社会を変える触媒になる、という風ではないな。辛口かもしれないけど、それは一番残念に感じたところ。灘や開成だと違うのかな?

さて、授業で取り扱った内容は、だいたい以下の通り。

・常に何を考えるべきか?を考えよ
 問題に対し、答えを出す必要はない。問題を与えられたら、まっさにすべ きは、何を考えるべきか、つまり論点を出すことである。
 問題に構造を与える力こそ問題解決の最初にして最大の一歩である。 
 現代風に言えば、要はグーグルの窓にどんな言葉を入れるのか、というこ と

・ハイブリットであることの乗数的価値
 税理士の年収は500万、ベトナム語の通訳の年収も500万。
 でもベトナム語を話す税理士の年収は、2500万円である。
 

・アイデアとは、既存の物事の“新しい”組み合わせにすぎない。
 オペレーショナルな時代から、イノベーションの時代への移行期である。
 公文式が解けても、ビジネスの問題は解けない。
 情報は具材、知識は、思考のスパイスに過ぎない。
 二一世紀のリテラシーは、既存の情報と知識を、新しい角度から見直し、 新たに有機化統合させる能力のことである。(クリエイティブ・シンキング)

・21世紀の五大言語

 マーケットの共通言語である会計とファイナンスの基礎を知ることの大切 さ。英語・中国語・ファイナンス・呼吸・愛が二一世紀の5大言語となる

・ビジネスセンスは人次第だがビジネスモデルは学べる

 ゲオとTSUTAYAを例にとり、一見、同じ業態に見える二社が実は全く異なる ネイチャーと戦略を持ち、事業を推進している事実を、わずか財務諸表の かすかな情報のカケラから読み解くM&Aの術を盗め

・お金とは、数値化された信用にすぎない

 マネーとは外部化(数値化)された信用の記号であり、物理的にはフィク ションであること。超資本主義世界では金融の振れ幅は極大化すること。
 (信用膨張と信用収縮が、極めて短い期間で繰り返されるということ)
 リーマンショックは、100年に1度だったはずなのに、その2年後にはギリシ ャショックが起きているという現実。

 したがって、直接的にお金を多く保有することよりも、自らが信用を創造 できることにコミットせよ。それは、「強み」「使命」「貢献」にコミッ トし続ける姿勢である。


・生きることは、創造することである

 すべての生命がその魂の意図を顕在化させるべく躍動するプロセスそのも のが「生きる」ということであり、個別の魂に対して、個別に最適な可能 性を供給する社会こそが、最高の社会システムである。
 平等とは、平均でもなく一律支給でもない。平等とは個別最適化である。
 そのような社会の実現のために、法・教育・福祉・金融、・・・あらゆる 社会システムが有機的なつながりをもって形成されねばならない。



なんてことを話しました!

 専門用語は使いませんでしたが、遠慮は一切せず、自分のもてる知識・体験・血肉となった知見を全身でぶつけていきました。彼らとは一期一会。何かのインスピレーションになっていれば嬉しいな。


ビジネスパーソン向けの企業分析の研修を引受けました!知的好奇心旺盛な方はぜひお会いしましょう。頭を殴られたような感覚になりますよ(笑)。



ソリューション企画のための企業分析講座
 クライアント企業の真の問題解決を提案するための実践手法

(*)ブログ経由(講師紹介)といえば割引してくださるそうです


| - | 02:32 | comments(4) | trackbacks(0) |
GREE(グリー)を使って学んだ2つのこと
最近、グリーのゲームで遊ぶようになって、どうやったら1500万人もの会員を集め、高い収益を達成できるのか、考えてみた。

グリーの基本構造は、「無料」と名打ったゲームをやってもらい、そのアイテムなどを買うためのゴールドに対してユーザーがお金(広告)を払って得る、というモデルである。

言うは易しだが、実際、大変良くできている。

ワンクリックで誰でもできる単純なゲームでありながら、その攻略については裏技を含め奥が深い。

ユーザーは、徐々に深みにはまりながら、自然にもっと強いアイテムをもっと短期間に手に入れたいという欲を刺激して、有料化へと繋げている。

「フリー経済」の概念が流行っているがこれはウソである。

正しくは、「エスカレーションシステム」である。

つまり、0から1へ、1から100へと、徐々にユーザーを巻き込みながらその“忠誠度”を高め、いくつものフェーズ(ユーザーの教育され度合いレベル)を用意して有料化へと誘うための“プロセスマネジメント”がその本質である。

今後の世界は、売れる or 売れない といったゼロかイチかの世界は崩れる。もっとまろやかで多層的なユーザーとの距離感を把握するしくみがビジネスモデルの主流になってゆくだろう。

その上で、この「ユーザーエスカレーションシステム」がどの業界においても機能してゆくことになる。

それは、従来のような「ハーレーダビットソン」や、「宝塚」などの特定の業態だけでなく、今後は、保険・金融業、ダスキンのような生活支援業、ネットポータル(ユーザーのロイヤリティを多層的に把握する)、カーディーラー等へと展開してゆくはずである。

グリーから学んだことがもう一つ。

それは、世界中の言語の一元化が可能ではないか、ということ。

グリーでは見ず知らずの人とショートなメールを交換するが、使う単語や文法は極めて単純、そしていくつかの絵文字で文脈も伝える。

つまり、「単語」「基本文法」「絵文字」のシンプルな組み合わせで十分、コミュニケーションが可能だということ。なぜならば、一日に何度もこのメッセージをやりとりするからだ。

この手法を適用すれば、厳密な言語翻訳システムなど開発せずとも、単語を入れ、文法を“プルダウンメニュー”から“選択”し、絵文字もどうようにワンクリックで選択させる方式を採れば、世界同一言語を創り上げることもできるのではないかと考えた。

これによって、世界中の人と、ストレスなくコミュニケーションが誰でもできるのである。

グリーやモバゲーは、非常に小さな工夫と、大きなビジネスプロセスのイノベーションで成り立っているのである。

そこから我々が採用すべきは、エスカレーションモデルを自社に応用すること、コミュニケーションの手段のシンプル化を考えること、の2点である。

| - | 23:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
「プロフェッショナルの仕事術」待望のDVD化!!
今回は、先日行われたセミナーのDVD化のご案内です。


同じ時代を過ごしながらも、20歳代の半ばで、
1,000万円近い年収を稼ぐビジネスパーソンがいます。

彼らは、ちまたにあふれる情報商材で稼ぎをあげる
打ち上げ花火のような“一発屋”とは違います。

本質的なビジネスリテラシーを養いながら、継続的に
「仕事」で成果を上げ、結果として「高報酬」を得る、
正統派のビジネスパーソンです。

では、一体、彼らの何が平均的ビジネスパーソンとの
「差」を生んでいるのでしょうか?

この素朴な疑問は、多くのビジネスパーソンが高い関心
を持っていますが、彼らはめったに表には出ないため、
その手法は、秘密のベールに隠されています。


そこで、今回のシェアーズでは番外編として、誰もが
聞いたことのある、“あの”世界最強の外資系戦略
コンサルティングファームに新卒で入社し、3年働き、
3月から外資系銀行に入社するM氏を強引に説き伏せ、
そのスキルとマインドを開陳してもらう機会を設けました。

職場の変わり目のわずかな休暇を使って、M氏は自身が
5年間で身につけたプロフェッショナルスキルを体系化、
そのエッセンスを3時間に凝縮して、皆さんにお届けします。

表にはでてこないプロの“生”の話を聞ける貴重な機会です。

対象者は以下のとおりです。

・プロフェッショナルキャリアを目指す大学生・院生
・社会人4年目までのビジネスパーソン
・外資系ファームの生の姿を体感したい方

セミナーにご参加出来なかった方はぜひDVDで!!

今回は、シェアーズの番外企画ということで、価格は5000円にしました。

こちらからお申し込みができます
| - | 16:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
IFRSの本質とその限界
IFRSの特集をよく見掛けるようになった。私も記事やコラムを担当することが多い。

ここではIFRSの“意味合い”を端的に書きたい。(細かいルールについては別のコラムを参照に詳しいし、まだ未確定の部分も多い)

まず、そもそもの会計についての誤解から。

日本では、B/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)、C/F(キャッシュフロー)の三つをもって財務三表とし、“三位一体”としてみるが、これがそもそも間違いである。

「P/L,B/S」と「C/F(キャッシュフロー)」の二つは根本的に異なる。

キャッシュフローは、その名の通り「現生(げんなま)の動き」であり、「P/L,B/S」は、会計というルールに基づいた企業評価の方法である。

したがって前者は「事実」であり、後者は「意見」である。

よく会計ルールが変わる時に、キャッシュフローが注目されるが、それは会計がよくわからなくなるので、では事実に戻ろうという動きなのだ。今回のIFRSでも同じようにキャッシュフローが注目されているが、これは常に起こる新しい会計(というルール)を否定する動きでもある。

さてそのIFRSだが、2つのポイントがある。
一つは「P/Lの失脚」、もう一つは「事業と財務の分離」である。

過去、P/L(利益)は、ことごとく投資家を裏切ってきた。

P/Lと、B/Sの関係は、本来、P/Lが、ある期間の成果(フロー)、B/Sが、ある時点の状態(ストック)を表し、両者が組み合わさって企業を表現している。

しかし、ある期間の成果である(P/L)の“お化粧”をするために、B/Sにしわ寄せをすることが通例であった。例えばのれん代(無形資産)という名の実態のない資産の計上、それから売掛金や在庫などの過剰計上である。本来、費用として計上すべき項目をB/Sの資産に計上して、P/L(利益)を底上げすることが粉飾の常套手段だった。これまでは、P/Lを見ても「ある期間の成果」は、“正しく”表現されることがなかった。

であれば、どうすればいいのか?

答えは、簡単である。B/Sに“ウミ”が貯まるのであれば、B/Sを使って成果を把握すればいいのだ。「現在の状態」から「過去(1年前)の状態」を引けば、一年間の成果が出るではないか?つまり、B/Sの差分を取れば、もれなく成果を見ることができるということである。

現在のストック − 過去のストック = 成果(フロー) ということだ。

この考えに則ってIFRSでは包括利益という概念が適用される。これは元来のP/LとB/Sをミックスして、期間成果(多くは年間成果)を表現したものである。これによって、今までB/Sにしわ寄せしてきた(あるいは簿外に負債を飛ばしていた会社)は、損失計上を余儀なくされることが増える。まぁ、無形資産や不可思議な固定資産は費用化されるので、利益が下がるということだ。

そもそもB/Sや簿外を読み飛ばす投資家も怠慢だが、“包括的”に期間成果を追えない会計も問題であった。IFRSはこの問題をある程度は解決する。しかし、市場を騙す経営者と投資家のいたちごっこは、さらに複雑になるだろう。これはコンピュータウィルスの世界も財務会計の世界と変わらない。

2つめのポイント。

それは「事業」と「財務」の分離である。

企業活動とは、通常、調達→投資→回収→還元の4つのサイクルで行われる。「調達」と「還元」が財務活動であり、「投資」と「回収」が事業活動である。

日本では調達や還元(配当や株価対策)よりも、事業活動による内部的な投資と回収が重視されてきたが、今回、「財務」の生産性が一目瞭然となることで、経営者の市場対話能力(IRや資本政策)が更に問われることは間違いない。

また事業についても、事業領域(セグメント)毎の開示がより進むことにより、これまでのような企業間の比較ではなく、他業種企業でも同じ事業であれば比較されることが増え、事業の売買(M&A)も加速するようになるだろう。

実は企業比較や事業比較は、IFRSという統一ルールだけでなく、XBRLという統一の会計情報流通システムによっても加速する。IFRSという「言語」とXBRLという「流通システム」の両輪が、世界規模での企業間の比較、投資家獲得の熾烈な競争を加速することは間違いない。

IFRSとXBRLによって企業実態の詳細把握と比較可能性が高まることで、世界統一市場が出来るようになるともはや地方の市場は存在意義を失うだろう。

「市場」は明らかに新しいステージ(世界統一市場)へと進化しようとしている。だが、それと同時に、21世紀にふさわしい市場に変わる新しい金融システムが生まれようとしているのだ。それは個人レベルの想いやコミットメントが“編み込まれた”金融商品の発明なのである。その意味において私自身は、IFRSやXBRLのような現市場をサポートするシステムでなく、Donational investment(寄付的投資)や、企業通貨・個人通貨などの新しい信用創造システムの構築に関心がある。
| - | 11:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
ベストセラー「新しい株の本」著者 山口揚平が語る、不況期に投資して、将来の財産を作るための株式投資セミナー
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| - | 04:31 | comments(4) | trackbacks(0) |
竜馬に期待はするな
今の日本の閉塞感を嘆き、ひそかに“維新”を求める若者は実は多い。

だが21世紀の「黒船」が日本にやってくる理由は残念ながら見あたらない。

だとすると、方策は二つである。地方と海外である。

イノベーションは、常に“周辺”から起こる。周辺は現実とこすれあい、摩擦しあっているからだ。霞ヶ関(コア)は現実に触れていない。そこでは空論が空転する。

もし志あるのならば、地方で旗揚げするのが一つの手である。幕末維新も、地方の脱藩志士によって成し遂げられたのを思いだそう。

また、未来ある若者は、一度、この国を出て行くのも手だ。

語学は、1年我慢すればいい。真の問題は、自らの志と健康とリテラシー(論理と教養)と、アイデンティティにある。日本とは何か?日本人とは何か?ということについて、自分独自の考えを持つことが必要だ。

これまでは「日本企業」と「日本国民」と「日本政府」は、“三位一体”として捉えられてきたが、今後は分裂する。

2006年頃から、先見のある「日本企業」は、この懲罰的な法人税(世界一)の「日本」を捨て、グローバルに戦うことに“決めた”。

当社のインターンであったルーマニアの国費留学生が、東大の大学院に進まず、楽天に就職すると聞いた時はびっくりしたが、楽天は新入社員100人以上を外国人とする方針を打ち出している。世界市場を意識している。

来期の上場企業の業績は、リストラ効果で、間違いなく過去最高益になるし、その結果生まれる短期間の株価の上昇の余波にのって国外逃亡する。

日本企業が、日本人を雇わなければならない、という理屈はないので、ここで決定的に「日本企業」と「日本国民」・「日本政府」は分離・反発することになる。日本企業はさっさと優秀な外国人を新たな乗組員として世界航海に乗り出すだろう。

日本企業という空母は、『沈黙の艦隊』のように、独立した存在として、暫くの間、アジア・パシフィックを漂うことになる。国際金融の支援さえあれば、その方が日本にとどまるよりもずっとメリットがある。

逆に日本から出て行かない日本企業は、政府の庇護のもとにある重厚長大御三家(どことは言わないが・・・)と、出て行けない中小零細企業だけだ。

では「日本企業」に去られる可能性の高い「日本国民」と「日本政府」は、どう出るか?

まず前提として、行政の無駄はなくならない。市民革命を経験していないこの国は、実質的には封建国家だから、国民が“お上”に口答えすることは決してないのだ。

で、財源の確保が問題になる。

政府は、出て行ってほしくない企業におもねって、(大企業の)法人税を下げるだろうが、それは要するに消費税にしわ寄せするということである。消費税の増税は、更なる内需の圧迫につながることになり、国内の閉塞感はますます高まらざるを得ない。

加えて、国民資金のロックによる財源の確保を狙うだろう。
政府の負債と国民の預貯金は、それぞれが1000兆円で、“いってこい”の関係にあるがそれは国民が間接的に国債を買っていれば成り立つ関係だ。

だが国民も、今更、“ユウチョ”にカネを預け、政府に「カツアゲ」されるほど馬鹿ではない。グローバル企業へと進化する日本企業や、成長する海外企業・資産へ少しづつ財産を移すはずだ。国民からも財源を確保できない。

というわけで結局、政府は国民の要請をかなえることは何一つできない。
もし一つあるとすれば、それは「日本円通貨の国際IR」であり、「高度な産業資本政策」であるが、そのような機能を持つ組織はない。

では、なにか新しい「組織」がこの国を導くか、というと情報化・分散化が進んだ今、そんなことはありえない。高度な組織化は、新たなコンセプトを必要とするが、今のところ、大衆の評価を得、導くことのできるビジョンを持った個・組織はない。

だとするならば、出て行けるものから出て行く、となるのが当然だ。

若者はグローバルに出て行く“船(新進気鋭の中堅企業)”に乗るか、グローバルで戦う外資系企業、あるいは自らの筏で世界を巡るしかない。

あるいは、あらたな「コミュニティ」を地域やバーチャルに形成し、その中で小さな生活と幸せを享受することになるだろう。
| - | 01:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
決して死を忘れるな
20代は、目の前の与えられた仕事にどれだけ一途にとりくむことができるかがもっとも重要である。20代に損得勘定で動く人で大成した人には会ったことがない。

一方で、30代は“哲学”しなければならない。つまり自らに問い、試行錯誤する中で道を定めてゆかねばならない。

では何を問うか?

私は「究極の“現実”であるカネ」と、「究極の“真実”である死」を見つめるべきだと思う。

私は、カネとは何か、については30歳から5年間、自らに問い続けそれは一つの結論をみた。「カネとは外部化された信用」である。信用が客観化され、数値化され、可視化したものがカネである。では信用とは何か?人から信用されること、つまり信頼とは何か、ということを新たに問わねばならない。「信頼とは問い詰められないこと」ではないかと、私は今、思っている。
人間の最大の武器は、“習慣”と“信頼”だそうだ(〜ゴールデンスランバー より〜 )
(「お金とは何か?(貨幣論)」については原稿としてまとめたので必ずなんらかの形で出すつもりです)

では、もう一つの問い、「死」とは何か?私は自分で納得できる答えをもっていない。私が知っているのは、「生きるということは、呼吸をして食べているということではなく、創造と破壊を繰り返しながら、自らを表現していくプロセスである」ということだけである。
また、人は死をリアルに考えると、目の前にあるほとんど全てが無意味に(もしくは意味が小さくなって)感じられる、ということも経験を通して知った。いずれにせよ、生と死の本質を問わずして確固たる自己を確立することはできない。死を恐れるな、とはいわない。ただ、死を避けないことだ。

長期に渡って成果を上げる経営者は皆、「死生観」を持っている。

ジョブスも同様である。ぜひこの有名なジョブスの講演を見て欲しい。



それからこれも。「旅立つ日」



顧客満足を知る最高の質問は、「この会社の製品・サービスを人に薦めますか?」だそうだ。

愛に生きるための最高の質問は、「今日が、人生の最後の日ならどうするか?」である。
| - | 22:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
貢献する気持ち
この週末には、株式会社祭のお誘いで「雪かき」に参加させて頂いた。
何度も拒みつつもどうしても行ってしまうこのツアー、もう4回目の参加である(笑)。言葉に出来ない価値がそこには確実にある。お互いを知らない10名ほどのメンバーが集い乗り合って向かう妙高高原は風光明媚で自然豊かな田舎である。源泉掛け流しの温泉も嬉しい。都会の人は、地元との交流を通して身体性を快復し、地元の人は、都会の人から誇りを受け取る。往復のバスは、社会論からはじまり、文化論(マンガ?)を経て、恋愛論(下ネタ)に落ち着く。みんなが楽しいひととき。

だがこのツアーをビジネスとして成り立たせるにはまだ足りない。

僕は21世紀の内需の本命は、身体性と精神性を提供するサービス業に尽きると思うが、地域活性化をビジネスで成り立たせるには、工夫が必要だ。
キーワードは二つある。

「ボトルキープ」と「お土産」だ。

ボトルキープとは、鮭の子供が帰ってくるように、都会人をターゲットとするならば、地元に何度も来るための“理由”を作ることである。田植えの際に、自分が植えた領域をヒモで囲っても良いし、古民家の宿泊権利を破格で売ってもいい。なんらかのオーナーシップを持たせるという意識的な試みが必要である。

お土産は、単にツアーに参加するだけでなく、収穫物の販売や地元名産品の購入促進など付加的な価値をつけることだ。つまりHISが3万円のツアーを企画し、お土産屋のキックバックで+2万円を得る、というしくみと同じだ。

事業とは、利益を前提として成り立つ継続的な営みである。善意と思いから始まるこの流れを一過性のムーブメントから社会構造へと進化させるのは、このような事業家の精神ではないだろうか。
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