JUGEMテーマ:海外旅行 総合
昨年クリスマスから元旦にかけて、10日間ほどをベトナムで過ごした。常夏を期待していたが、やや温かいぐらいの気候。でも急激に冷えた日本から脱出できたことは幸いだった。
今日は、ベトナムで気づいたことをいくつか書きたい。
(ホイアンで迎える元旦 多くの日本人と外国からの人)
1.社会主義ではない、資本主義国家である
ベトナムは、社会主義国家であるが、完全に欧米の資本主義的インフラに支えられている。
ダナンに欧米系のリゾートホテルは、設立前から転売が繰り返され、オープンしてからもオーナーが変わる度に、総支配人が替わり、スタッフが入れ替わる。ホテル事業へのコミットというより、土地転がしによって財を成す、というのがビジネスの手法となっている。人の回転が激しく、トレーニー(見習い)が多いため、サービスに深みが出ないのは残念だ。
2.ハードは強いが、ソフト・サービスに弱い
ベトナムを旅していて、一番、気になったのは、このハード(施設)のレベルの高さに対するソフトやサービスのレベルの低さである。
中部最大の商業都市ダナンでは、世界遺産がたくさんあるなか、あえて映画館で「トロン3D」を観に行った。日本のワーナーやヴァージンと変わらない設備だが、観客のおしゃべりは本編が始まっても止まらないし、携帯がかかってくれば遠慮なく話し込んでしまう。劇場スタッフはまだエンドロールが流れる前から館内の明かりをつけてしまうから、エンディングをゆっくり観る暇もない。
ベトナムの魅力は、安定した政治経済と平均年齢26〜27歳の若い生産力であると言われているが、それはベトナム戦争で彼らの親世代が命を落したことに起因する。そのために若年層の「しつけ」が弱い、というのが実は最大の弱点である。
ハードについては、原子力発電から証券取引所のITシステムまで実は世界最高峰である。
それを使いことなすことができるオペレーションが確立できるかがこの国の発展に大きく関わっている。
3.中流層の教育が、もっとも大きなネックである
欧米から輸入される最高レベルのハードと、未熟なソフトやサービスのギャップを埋めるのは、知識と倫理を持ち合わせた人材である。したがってベトナムの最大の課題は、「中流層の教育」となる。
これは実は、過去の日本の最大の強みであった。確立されたオペレーションを教育された労働者が丁寧にこなすというのが戦後ニッポンの強みの源泉であったことを考えると、日本の貢献できる部分が多い。
日本は、介護・医療を中心にどんどんベトナムから若い人材を受け入れるべきだし、それによって日本の医療費問題の解決も進む。一石二鳥であるが、厚労省の足取りは重く受け入れ規制は厳しい。
逆に、ベトナムに、日本の引退世代はどんどん進出して技術継承や儒教的倫理観・サービスなどの教育を提供することは多大なる貢献につながるし、引退世代の社会とのつながりと担保する上でもとても重要な施策なのである。
両者の欠けたる部分、つまり日本にとっては若手生産人口の輸入(特に医療・介護分野)、ベトナムにとっては知識・倫理・サービス・技術の供給というシンプルな方向性は草の根レベルは行われているが、より包括的に行うべきである。それはいかなる供給も閾値を超えるインプットなしには、アウトプットに跳ね返ってこないという当たり前の理屈による。(TVのCMだってある一定量出さないと効果はゼロに等しいでしょ)。最低でも1万人規模の交流を国家レベルで模索し、実行することが必要である。
元日を、中部の世界遺産都市ホイアン(「千と千尋の神隠し」のモチーフにもなった幻想的な町)で迎え、多くの日本人や外国人と触れあいながら、そんなことを考えた。
600年以上前に朱印船貿易で栄えたホイアンには、日本橋や日本人の墓が残っており、当時のフロンティアスピリットあふれる日本人の魂が元気をくれる。
温故知新。僕達はこの歴史ある交流都市で、新しい日本人としてどのような事業を興し、交流と貢献を行うべきであろうか。